「英語教師の私がこの教室に通う理由」 高瀬さん
「外国語を学ぶということは、その過程を楽しむこと。
学習の効果は、目的ではなく、その楽しんだ結果だと考えること」。
これは自分が主宰する、大人のための英会話教室でいつも生徒さんにいっていることだ。
しかし、時にはそういっている自分が、生徒として学習のプロセスの楽しみ方を忘れそうになることがある。実感として感じられなくなる。
それがこの教室に来た理由。
そして今、生徒としての喜びを再発見している。
まず、生徒の皆さん、この真剣さはどこから来るのか。
一人一人の力量もさることながら、その姿勢は、まぶしいくらいだ。
次に、新しいことを覚えて、それを発表する喜び。
グループで学習する最大のメリットは、自分の英語を聞く人が、それも力のある人たちが回りにいるということ。
そうすることで、見慣れない語句の印象が鮮明になり、頭に叩き込まれる気がする。さらに教える者と、教わる側の信頼関係のあり方。
きっと双方で築き上げてきたものなのだろうと、後から来た私は(羨望と共に)確信する。
外国語の習得という、地味な作業を自ら実践することで、学ぶ者の傍らに立つ、ロールモデルとしての教師の役割。その存在こそが、何よりも励ましになる。授業という形態のひとつの理想がここにはある。
しかし不思議なことに、長く教える側にいると忘れてしまうものだ。
私の教室は、キンバリーさんのマシンガン英語では始まらないし、六カ国会議のニュースの書き取りも無いが、生徒一人一人の学ぶ姿勢と、相手に英語ということばを伝えたいという熱意は変わらないと思う。
これからも私は生徒として、又教える者として、この教室から刺激をもらい続けたい。